福岡県初!産官民の3社連携における「Jブルークレジット取得検討会」
今とても大切な海洋の取組の1つとして、CO2排出量が大幅に削減されることが期待されるJブルークレジッ...
瓜生 光
漁業者を目指す際、まず理解したいのが漁業者の種類です。漁業者には大きく分けて「漁船漁業」と「養殖漁業」に分けられます。理想通りの働き方を実現させるためにも、ここで各漁業の働き方を確認しておきましょう。
漁船漁業は多くの人が漁業者に抱くイメージ通り、船に乗って海に繰り出し、魚を獲るスタイルの漁業です。漁船漁業のなかでもいくつかの種類があり、おおまかに沿岸漁業・遠洋漁業・沖合漁業の3つに分けられるのがポイント。それぞれで、漁に出る期間や獲る魚の種類が異なる点は事前に把握しておきましょう。
いずれの漁船漁業についても、長期間海の上で過ごすことになるため、元々魚や海に深い愛着を抱いている方に向いています。遠洋漁業は体力や精神力を求められる一方で高額な収入につながりやすいため、「豪快な生き方」を目指したい方にもおすすめです。
養殖漁業とは、生簀などで稚魚を育て、食べられる状態となったら出荷するタイプの漁業です。漁船漁業とは異なり陸上での作業も多い一方で、「船に乗って数ヶ月以上家から離れる」ということはありません。養殖漁業は同じ作業を毎日こなす必要があるため、根気強さや観察力の高さも求められます。また、畜産業と同様に、自分が育てる生物に愛情を注げる方にも適していると言えるでしょう。
漁業者を目指すのであれば、具体的な業務内容や収入はできる限り把握したいところです。特に漁船漁業では沿岸漁業・遠洋漁業・沖合漁業で業務内容や収入が大きく変わるため、事前にしっかりチェックしておきましょう。
沿岸漁業は沿岸部で行われる漁業です。そのため、基本的には日帰りとなります。遠くまで漁に出ないこともあり、小型船が使用されるケースも多くなります。扱う魚はアジ・タイ・サバ・タコなどで、年収は250万円〜350万円程度が相場です。
遠洋漁業とは、遠方にまで出向き大規模な漁を行う漁業です。いわゆる「マグロ漁船」についても、遠洋漁業に含まれます。遠洋漁業では世界中の海が仕事場となるため、一度の航海が丸1年になるケースも。扱う魚はマグロ・カニ・カツオなど高収入が見込める種類が多く、600万円〜800万円程度の年収が期待できます。
沖合漁業とは、沿岸漁業と遠洋漁業の中間に位置する漁業です。日本の200カイリ水域を中心に行われます。一度の漁の期間は、日帰りから1ヶ月程度となるでしょう。扱う魚の種類は多く、主にサンマ・イカ・マグロ・エビなどが対象です。平均年収は400万円〜500万円程度となるでしょう。
漁業者は「親の後を継ぐ」という印象が強く、漁業者になるのは難しいと考えられがちです。しかし、結論から言うと漁業者になるのに特別な紹介や手段は必要ありません。以下で紹介するステップを踏めば、誰であっても漁業者になれる可能性があります。
すでに紹介したように、漁業者はさまざまな種類があり、どの地域でどのような漁業者になるかによって働き方も大きく変わります。そのため、まず重要になるのが情報収集です。現在は「漁師.jp」などでセミナー開催などの有益な情報が掲載されているほか、各都道府県からも役立つ情報が発信されています。
漁業者になってからギャップを感じないよう、事前に漁業就業セミナーや漁業体験へ参加することをおすすめします。セミナーについては高校生や大学生を対象として、定期的にさまざまなタイプが開催されているため、日頃からインターネットなどで情報をチェックしておきましょう。また、漁業就業フェアに参加して漁業者とのつながりを作っておくと、後日体験乗船を許可してもらえる期待が持てます。
セミナーへの参加や体験漁船を重ね、自分が志す漁業者の形がイメージできたら、いよいよ就職活動の開始です。インターネットなどを駆使して求人情報を探し、アプローチを開始してください。求人情報を探す際は、層、質ともに充実している「漁師.jp」の活用がおすすめです。
求人情報がインターネットに出ていなかったとしても、漁業者を募集しているケースはあります。自分が漁業者を始めたいと考えている地域に漁連や漁協があるようなら、直接確認する姿勢も大切です。
多くの場合、漁業者の採用プロセスは面接や乗船体験などを経ながら進められていきます。そのため、あらかじめ体験乗船などを済ませておけば、採用される可能性も高まるでしょう。
少子高齢化が進む現在の日本は、「未経験」かつ「地元出身ではない」人でも漁業者になれます。定期的に開催される「漁業就業支援フェア」や「漁業体験」への積極的な参加を重ねていけば、漁業者になる道は開かれていくでしょう。
晴れて漁業者になってから、どのようなキャリアを歩んでいくかも事前にイメージしておくことが大切です。特に漁船漁業は沿岸漁業、遠洋漁業、沖合漁業によってキャリアアップ方法が異なるため、ここでチェックしておきましょう。
・沿岸漁業
沿岸漁業は、基本的に親方漁師へ弟子入りするところからキャリアがスタートします。その後は、独立して生計を立てるか、漁業会社の一員として成長するかが大きな分かれ目になるでしょう。独立するためには、船舶免許・漁業無線の資格取得、漁協への加入などが必要になるので、まずは漁業会社の乗組員としてキャリアを積んでから独立を目指す方も少なくありません。
・遠洋漁業
遠洋漁業の場合、経験を積んで漁業会社の幹部職員になる道と、中~大型船のクルーとなる道が用意されています。海技士の資格を取得すれば、船舶職員として働くキャリアも開けるため、積極的にチャレンジしてみてください。
・沖合漁業
沖合漁業については、多くの点において遠洋漁業と同じようなキャリアアップを目指すことになります。場合によっては、沿岸漁業のように独立するケースもあるため、事前にどのようなキャリアプランを立てるかが重要です。
漁業者になる際、必要な資格があるかは気になるポイントです。結論から言うと、キャリアの初期段階では必ず誰かの下で働くことになるので、何らかの資格が必要になるわけではありません。
ただし、より良い待遇を希望したり、独立を考えていたりするようなら「小型船舶操縦士免許」や「海上特殊無線技士免許」などの資格は取得しておくべきです。小型舶操縦士免許は、自分で船を動かすために必要な資格となります。そのため、独立を目指しているのであれば必須となるでしょう。また、海上特殊無線技士免許を持っていると、無線使用によって海上でも情報交換が可能となり、より安全な航海が実現します。
こうした資格は漁業をするうえで非常に役立つため、仮に独立を考えていなくても保有していれば漁業会社での待遇が向上するのは間違いありません。もし、漁業者として年収1,000万円以上を目指しているのであれば、確実に取得しておきたい資格です。
漁業者として独立を考えているのであれば、必要になるのが「漁業権」です。漁業権とは、漁をする権利であり、基本的にはその地域の漁協が管理しています。そのため、漁業権を得るためには、まず漁協に加入して組合員になる必要があるのです。
漁業者になるためには、しっかりとした情報収集が重要だと紹介しました。ただし、インターネットには無数の情報が溢れており、見極めが難しいかもしれません。ここでは、おすすめの情報サイトをいくつか紹介します。